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イスラームにおける主な目的

4844 2012/08/26 2024/12/03

アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は別れの巡礼[1]の際、ミナー[2]の地において人々にこう言いました:

「今日はいかなる日だ?」人々は言いました:「アッラーとその使徒がよくご存知です。」彼は言いました:「この日は聖なる日(アラファの日:ヒジュラ暦の12月9日)である。ではここはいかなる場所か?」人々は言いました:「アッラーとその使徒がよくご存知です。」彼は言いました:「ここ(マッカとその付近の地)は聖なる場所である。ではこの月はいかなる月か?」人々は言いました:「アッラーとその使徒がよくご存知です。」彼は言いました:「この月は聖なる月(ヒジュラ暦12月のズルヒッジャ月)である。実にアッラーはこの日、この月のこの場所における神聖さと同様に、あなた方の生命と富、そして名誉を犯さざるべき神聖なものとされたのだ。」(アル=ブハーリーの伝承)

イスラームがいざない、かつその保護を謳っている最も重要な目的とは、宗教と生命と尊厳と財産と理性の保護です。生命の保護に関し、至高のアッラーはこう仰いました:

-そしてアッラーが禁じられた(者の)命を、正当な理由もなくあやめてはならない。,(クルアーン17:33)

また財産の保護に関して、アッラーはこう仰っています:

-そしてあなた方の財産を、不正に貪り合ってはならない。,(クルアーン2:188)

また尊厳の神聖さに関し、至高のアッラーはこう仰いました:

-そして姦淫には近づくな。それは醜悪なものであり、悪い道である。,(クルアーン17:32)

またアッラーはこのようにも仰っています:

-そして過ちや罪を犯しながら、それを無実の者に擦り付ける者は、実に虚偽と明白な罪を犯しているのである。,(クルアーン4:112)

また子孫や祖先に対して罪を犯すことの禁止に関し、至高のアッラーはこう仰いました:

-そして背き去っては地上を徘徊し、腐敗を働いたり、農作物や子孫に被害を与えたりしようとする。アッラーは腐敗を愛でられないのだ。,(クルアーン2:205)

またイスラームは弱者の権利保護に対し、多大な配慮を払っています。それは彼らがより不正を被りやすい立場にあるからであり、アッラーはクルアーンにおいて様々な種類の弱者と、及び彼らがいかに不正を被るかという点に言及しています。まず、両親に関して至高のアッラーはこう仰っています:

-そしてあなたの主は、あなた方がかれ以外の何ものも崇拝せず、両親に孝行することを命じられた。彼らの内片方、あるいは二人とも高齢に達したら、うんざりしたり乱暴に応対したりしてはならない。しかし彼らにいたわりの言葉をかけてやるのだ。,(クルアーン17:23-25)

また孤児に対して、アッラーはこう仰られます:

-ゆえに孤児を抑圧してはならない。,(クルアーン93:9)

またイスラームは、孤児の財産保護を命じています。至高のアッラーはこう仰いました:

-そして孤児が成熟するまで、その財産には良い形においてでなくしては近づいてはならない。そして約束を守るのだ。それは問われることになるだろうから。,(クルアーン17:34)

また子供に関し、 至高のアッラーはこう仰いました:

-そしてあなた方の子供を、困窮を恐れて殺してはならない。われら(アッラーのこと)こそが彼らとあなた方を養うのである。,(クルアーン6:151)

また病人に関しては、預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)がこう言っています:

「捕虜を解放し、飢えている者に食を与え、病人を見舞うのだ。」(アル=ブハーリーの伝承[3]

一方年長者に関して、アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言っています:

「年長者を敬わない者と年少者を慈しまない者、そして学者に敬意を払わない者は私たちの内の者ではない。」(アッ=ティルミズィーの伝承)

また困窮者に関して、至高のアッラーはこう仰います:

-そして頼み事をしてくる者に、辛くあたってはいけない。,(クルアーン93:10)

またアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言っています:

「アッラーはそのしもべが同胞を援助する限り、かれもその援助の手を差し伸べられるのだ。」(ムスリムの伝承)

イスラームがその信徒に実践するよう命じた素晴らしい手法は、他にも沢山あります。そしてそれらの全ては個人の人格を高め、かつ社会全体の改善を促すのです。



[1] 預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)にとって最初で最後のハッジ(大巡礼)のことです。

[2] 「ミナー」とは、マッカ付近に位置する谷の名称です。

[3] 本書において頻繁に見られる「何某の伝承」とは、預言者やその教友たちの言行などを収めたいわゆる「ハディース集」の典拠を示しています。

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