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アッラーの存在証明

セクション : 世界の開端と終焉
1342 2013/08/20 2024/12/21

この宇宙に存在する全ては、それらを創造した創造主(アッラー)の存在を示す疑いなき証拠です。優れた知性と自然の天性を備えた者は、このことを完全に理解するでしょう。

アッ ラーの存在を拒絶する人々は、彼らが感覚的に知覚することの出来る実際的な証拠を要求しているために、そうしているのです。しかし彼らは、矛盾していま す。というのも彼らは、この宇宙において実体のない物事の印や効果を観察し、そしてそれらを信じているからです。たとえば人は引力を信じますが、それは不 可視のものです。人は、物質が地面に引き付けられるという効果のみを知覚しているだけなのです。また磁力も同様で、人は金属同士が引き付け合うという効果 を知るのみで、それを信じています。それどころか、人は自らの知性を見ることもなしに、自らに知性が備わっていることを信じているのです!彼らは自分の感 覚に依拠してこれら全てのことを信じていますが、これらの感覚は時に誤った知覚情報をもたらす、というのは周知の事実です。たとえば水の中の棒は屈折して 見えますし、少し離れて並んだ二本の平行線は次第に交わっていくように錯覚されます。また私たちは、北極にいようと南極にいようと、あるいは赤道直下にい ようと、真っ直ぐに立っていると感じています。これらの例は、人が知性に頼らずに自らの感覚のみに依拠すれば、知覚的な誤謬に陥る可能性があることを示唆 していると言えるでしょう。

知 性なしには、知識を獲得することは出来ません。知識の獲得手段を、自らの感覚による認識のみに限定する人は、大きな誤りに陥っています。果たしてアッラー が知覚出来ないからと言って、アッラーへの信仰を拒否することは論理的でしょうか?しかもそのことを示す印や効果は、人の周囲のあらゆる場所にひしめいて いるのに、です。アッラーの存在を実質的な証拠によってのみ探求することは、多くの人を、アッラーの印を熟考することによるアッラーへの信仰から遠ざけて います。

アッラー(I)は仰りました:

-そしてフィルアウン(ファラオ)は言った:「ハーマーン[1]よ、 私のために楼閣を建てよ。私が門に到達出来るように。(私が言っているのは、)天国の門である。そしてムーサーの神を見るのだ。彼は嘘つきに他ならな い。」こうしてフィルアウンには彼の悪行が素晴らしく映って見え、(正しい)道から阻まれてしまった。フィルアウンの策略は、破滅以外の何ものももたらさ ない。 ,(クルアーン40:36-37)

この呼びかけは、ある時代のみに限定されたものではありません。むしろこの言葉の本質は、無知ゆえに真実を信じることを拒否する者全てに向けられているのです。アッラー(I)はこう仰っています:

-知識のない者たちは、こう言った:「アッラーを私たちに話しかけさせよ。あるいは、あなたがみしるしを携えて来い。」彼ら以前の者たちも、彼らと同様のことを言っていたのである。彼らの心は似通っている。われら(アッラー)は確信をもって信仰する民に対し、既にみしるしを明らかにしている。,(クルアーン2:118)

あるいは、驕慢さゆえに真実を拒否する者にも同様のことが言えます。アッラー(I)はこう仰ります:

-わ れら(アッラーのこと)との謁見を望まない(つまり復活の日と、来世を否定する)者たちは、言った:「私たちに天使が下されないのはどういうわけか?また 私たちが、私たちの主を見ることが出来ないのは?」彼らは実に不遜であり、暴虐の限りを尽くしていた。その日彼らは、天使たちを目の当たりにする。その日 罪悪人たちによき知らせはない。そして(天使たちは)彼らに言う:「あなた方は(天国を)禁じられている。」,(クルアーン25:21-22)

またちょうど当時のユダヤ教徒がそうであったように、真実の拒否はある種の不正でもあります。アッラー(I)は仰りました:

-そしてあなた方がこう言った時のこと:「ムーサーよ、私たちはアッラーをこの目で見るまでは、あなたのことを信じたりはしないぞ。」こうしてあなた方が見ている前で、あな

た方に稲妻が落ちた。,(クルアーン2:55)



[1] 「ハーマーン」はファルアウンの王国の宰相。

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