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リンダ・フィッツジェラルド アイルランド出身の元カトリック信者(3/4)
転職
私の働いていた病院はしばらく新規採用をしていませんでしたが、6月になると突然始まり、私が転職することの出来る職務が2つ 募集されました。一方は人事部で、もう一方は教育・研修部でした。私にはどちらに行くかの選択肢があり、双方の責任者とも私を強く勧誘していました。もし も人事に入れば、私は物事の中心に位置し、病院で起きていること全てを把握し、将来的にはより多くの昇給の機会もあります。もしも教育部に入ったのなら、 より多くの人々が私がムスリムになったということを知る可能性が高まり、私は髪を覆い隠さなければならなくなるでしょう。私はどうすべきか何週間も思い悩 み、やきもきしました。突然、物事の中心にいること、そして病院で起きていることを把握し、強い役職にいることが私にとって非常に重要なことに思えました が、何かが私を押しとどめていました。すると私のヨルダン人の友人が、夜の礼拝後に2ラクアの礼拝を捧げて神のお導きを請い願う1よ うアドバイスしてきました。それを数日間に渡って続けてみましたが、はっきりとした答えはまだ分かりませんでした。心の奥底では教育部に行きたいと思って いることは分かっていましたが、私は自分の中で葛藤し続けていました。人々が私がムスリムであることに気付くことや、彼らにそのことで直面することを怖れ ていて、もし人事に行ったときに手に入れることの出来る強力な役職に対する思いも絶えず浮かんでいました。そしてある夜、クルアーンを読んでいたとき、お 金やゴシップ、権力などは私にとって何の意味もなくなりました。実際、私はそれらに意味を見出してはいませんでした。そうであるなら、どうして今更突然そ れらが魅力的になったのかと思うと、シャイターン(悪魔)が私をそそのかそうとしていたからだと思います。なぜなら、もし私が教育部に行けば、そこにはよ り多くのムスリムたちがいることから、シャイターンは私がサポートを受けてより宗教的になることを知っているからです。するとモヤモヤしていたものが取り 除かれた感じがし、私は決意して、上司にそのことを伝える明日が来るのが待てなくなりました。そしてもちろん、私は教育部に入ったのです。
ヒジャーブを着ける
その後、 物事は急速な展開をみせました。私はモスクで礼拝し始め、教育部ではたくさんのサポートを得ました。それから事に気付いた私の(宗教に厳格な)上司が、私 の髪を覆うよう勧めてくるようになりました。私はそのことについて真剣に検討しなければならなくなりました。私は間違った理由でそれをしたくはありません でした。私はそうする心の準備が整い、そうすることを決して止めたくなくなるようになるまで待っていたのです。その後上司が休暇を取り、プレッシャーは一 旦なくなりましたが、私はまだそのことについて四六時中考えていました。私はヒジャーブを着けることとその理由について友人と常に議論していましたが、依 然として納得出来ていませんでした。
ある週 末、私がコンパウンドの友人の家にいるとき、新入りの女性たちが来て会話をする機会がありました。彼女らは素敵な人柄であったため友達になりたいと思いま したが、「ああ、新入りの子たちが来始めたのか。どんどん状況は厳しくなって来てるわね。ひょっとすれば、もし彼女らが最初から私がヒジャーブを着けてい るのを見れば、それをそのまま受け入れて何も疑問に思わないかも知れないわ」こうして翌日から、私はヒジャーブを着けることを決心しました。以下は私の日 記からの抜粋です。
「私は明日から頭を覆うことにした わ。私の半分はそれが正しいタイミングだと感じているものの、残りの半分はそんなこと絶対にダメだって叫んでいる。私はその半分を無視することにした。何 をすべきかを知ることはとても難しいわ。もしそれを翌日か翌週になって毛嫌いするようになったらどうしよう。そうなれば、皆からの尊敬心を失うことなくし て後戻りすることなんて出来ないわ。私はいつになれば100%確信するのだろう。私はいつになれば今の状態よりも確信出来るようになるのだろう。私は思い切ってやってみなければならない。神がそれをお望みなら、なんとかなるということを信じなければならない。
私はパニック状態になっている。助けて! 私は本当にこの宗教を信じているの? 私は本当にこのような人生を歩みたいの? 私は毎晩、毎週末ひとりぼっちで過ごしたいの? 助けて!神よ、なぜこんなに困難なの? どうして私はこんなに意気地なしなの? 29 歳にもなって、5歳のように振舞っている私。今ここで全く決断を下すことすらままならないのに、私は過去にどうやって色んなことを決断したのかしら。私は 善良な人間ですらなく、良い人であるかのように振舞うだけで本当に苦労するのよ。今この瞬間、私はこの国を脱出してディスコに行って踊り狂い、お酒を飲 み、叫び声を上げつつ歌い出したい気持ちよ。私は残りの人生で飲酒はおろか男友達を持つことも出来ず、頭を隠さない限りは外出も出来ないという事実に直面 出来るだろうか。もしも今ここにケイトがいたら、彼女に電話してマルガリータを作ってもらうわ。でも彼女はいないのよ! どうやら今晩、悪魔たちは残業し て私に働きかけているようね。人々は私のことを思慮深い人物だと思っているというのに。本当に笑わせるわ。
私は決めたわ。やってやる。やらなきゃならない。最低でも私は自分の愚かさに気付くか、あるいはもしかすると正しい選択をしたこと、正しい道にあるということを実感するかも知れないわ。インシャーアッラー(神の御意であるならば)。」
その夜は一時も眠ることは出来ませんでした。最後の瞬間まで、私は勇気を出すことなんて出来ないと思い込んでいました。しかし、扉から出る直前、私はそれを着けたのです。後戻りはしませんでした。
す べての疑念は振り払われました。あたかもシャイターンが私から去っていったかのようでした。私は誇りに思いました。私は自分が巨人になったかのように闊歩 していました。皆が自分のことをムスリムであることを知ってほしいと思えてきました。私はムスリムであることに誇りを持てたのです。私は正しい選択をした こと、そしてそれに決して後悔することはないと確信しました。スブハーナッラー(神に讃えあれ)、神はそれを容易なこととされたのです。