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はじめに

1653 2012/12/05 2024/11/18

全ての賞賛は、万有の主アッラーにあり。そしてかれがその使徒ムハンマドとその系譜を称揚され、平安を与えて下さいますよう。

まず私は、あなたがアッラーからのお導きという偉大な恩恵を授かったことに関し、心よりのお祝いを申し上げたいと思います。アッラーが、全ムスリムをかれとの謁見の日まで、この偉大な宗教のもとに変わることなく、そして試練に屈することのないように堅固にして下さいますよう。

真のムスリムというものは誰かがイスラームを受容することに、大きな喜びを見出すものです。というのも真のムスリムは他者にもよきことを願い、かつ彼らにも自分と同様の人生‐つまり精神的・心理的喜びに満たされた安寧と歓喜溢れる人生‐を送って欲しいと望むからです。そしてこのことは、イスラームの教えを実践すること以外には達成されません。アッラーはこう仰っています:

-男性であれ女性であれ正しい行いをする信仰者には、われら(アッラーのこと)がよい暮らしを送らせよう。そして彼らが行っていたものに対し、最良の報奨をもって報いよう。,(クルアーン16:97)

一方でアッラーは、かれとかれの啓示したものを信じない者の状況について次のように証明されています:

-そしてわれの訓戒から背き去る者には、実に苦しい生活があろう。そして更に、われら(アッラーのこと)は審判の日に彼を盲目にして蘇らせよう。彼は言う:「主よ、なぜ私を盲目にして召されたのですか?私は(現世では)目が見えましたというのに。」(アッラーは仰られる:)「お前のもとにわれら(アッラーのこと)のみしるしがやって来たが、お前はそれを忘れたのだ。そしてこの日、お前も同様に忘れ去られよう。」,(クルアーン20:124-126)

また真のムスリムは、来世において永遠の幸せを満喫しつつ暮らすことを望みます。来世での歓喜に終焉はありません。アッラーはこのように仰っています:

-信仰し善行に励む者たちこそには、フィルダウスの楽園がその住まいとして与えられよう。(彼らは)そこに永遠に(留まり)、そこから(別の場所への)移転を望んだりはしない。,(クルアーン18:107-108)

最後の時は必ず訪れます。そしてそこで待ち受けているものは永遠の至福か、あるいは永遠の後悔かのいずれかなのです。不信仰の状態のまま死を迎える者は‐アッラーからのご加護を祈りましょう‐、永劫の地獄の業火に入ることになります。アッラーはこう仰っています:

-啓典の民(ユダヤ教徒とキリスト教徒)と多神教徒たちの内で(真実を)隠蔽し認めない者たちは、地獄の業火に永遠に留まることになる。彼らこそは創造物の内でも最悪の者たちなのだ。,(クルアーン98:6-8)

親愛なる兄弟姉妹の皆様。アッラーがあなた方をイスラームへと導かれ、不信仰から救われたのは、本当に偉大なアッラーの祝福であり恩恵です。多くの人々は、正しい宗教を知るという導きをまだ与えられてはいませんし、またイスラームが正しい宗教であることを知ってはいる多くの人々でさえも、イスラームを遵守するという導きを授かってはいないのですから。ゆえに兄弟姉妹の皆様、あなた方はこのアッラーの恩恵と、かれから授かったこの贈り物に対してかれに感謝しなければなりません。アッラーが審判の日のその時まで、あなた方をこの宗教において堅固にして下さいますよう。アッラーはこのように仰っています:

-彼ら(イスラームを真摯な意図で受容していない者たち)は、彼らがイスラームを受け入れたことであなたに恩を着せようとしている。言え、「あなた方がイスラームに改宗したからといって、私に恩着せがましくするのではない。いや、もしあなた方が本当のことを言っているというのなら、実にアッラーこそはあなた方に信仰でもって恩を施されたのである。」,(クルアーン49:17)

私たちは皆、アッラーを必要としています。アッラーはこう仰っています:

-人々よ、あなた方こそはアッラーを必要としているのである。そしてアッラーこそは何ものをも必要としない十全なお方であり、全ての讃美に値するお方なのである。,(クルアーン35:15)

アッラーは私たちのことなど、必要とされません。かれは私たちの服従行為や崇拝行為によって利を得ることなどもなければ、私たちの不信仰や不服従によって害を蒙ることなどもないのです。アッラーはこう仰ります:

-あなた方が不信仰に陥ろうと、アッラーはあなた方のことなどそもそも必要ともされていないのである。そしてかれは、(信仰者の)しもべたちの不信仰をお悦びにはなられない。そしてもしあなた方が感謝するならば、それをあなた方にお悦びになられる。,(クルアーン39:7)

アッラーの使徒(ムハンマド‐彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は、聖なるハディース[1]の中でこう伝えています:

 

アッラーはこう仰った:“わがしもべたちよ!われは自らに不正を禁じ、またそれをあなた方の間に関しても禁じたのだ。ゆえに互いに不正を働き合ってはならない。

わがしもべたちよ!われが正道へと導くことがなければ、あなた方は皆迷妄の中にあるのだ。ゆえにわれに正しい導きを求めよ、そうすればわれはあなた方を導くであろう。

わがしもべたちよ!われが糧を与えることがなければ、あなた方は皆飢餓の中にあるのだ。ゆえにわれに糧を求めよ、そうすればわれはあなた方に糧を与えるであろう。

わがしもべたちよ!われが衣服を着させることがなければ、あなた方は皆裸なのだ。ゆえにわれに衣服を求めよ、そうすればわれはあなた方に衣服を着せてやろう。

わがしもべたちよ!あなた方は昼に夜に過ちを犯すものであるが、われは全ての罪を赦すことが出来るのである。ゆえにわれに罪の赦しを乞うのだ、そうすればわれはあなた方の罪を赦すであろう。

わがしもべたちよ!あなた方はわれを害することも出来なければ、われを益することも出来ない。

わがしもべたちよ!もしあなた方の内の最初の者と最後の者[2]、人間とジン[3]が皆あなた方の内で最もアッラーを畏れる者の心のようであっても、それがわが王権に少しの増大ももたらすことはない。

わがしもべたちよ!もしあなた方の内の最初の者と最後の者、人間とジンが皆あなた方の内で最も放埓な者の心のようであっても、それがわが王権に少しの欠損ももたらすことはない。

わがしもべたちよ!もしあなた方の内の最初の者と最後の者、人間とジンが一同1つの丘に立ってわれに何かをこいねがい、そしてわれが各人の願いを叶えてやったとしても、それはわが御許において大海に落ちた一本の針を拾い上げた時についてくるしずく程度の量すらも影響を受けることがない。

わがしもべたちよ!あなた方はあなた方の行いによって問われるのであり、それによって報われるのだ。ゆえによきものを見出したならアッラーを讃え、そうでないものを見出したのなら自らを咎めさせよ。”」(ムスリムの伝承:2577)

 



[1]ハディースとは預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の言動やある物事の認可、性質などを伝える伝承のことです。尚「聖なるハディース」とは、預言者ムハンマドが彼自身ではなくアッラーから伝える伝承のことを指します。

[2] 訳者注:つまり全ての者。

[3] 訳者注:精霊的存在。

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