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ウドゥー
ムスリムはサラー(礼拝)前に、ウドゥーをする必要があります。預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:
「サラーは清浄な状態でなくては受け入れられない・・・」(ムスリムの伝承:224)
またアッラーはこう仰っています:
-信仰する者たちよ、あなた方がサラーをする時には、あなた方の顔と両腕を肘まで洗うのだ。そしてあなた方の頭を撫で、両足をくるぶしまで洗え。,(クルアーン5:6)
ウドゥーをする際には、以下のような作法に則るのがよいでしょう:
第三代カリフ・ウスマーンによって奴隷の身分から解放されたフムラーンによれば、彼はウスマーンが(水の入った)容器を持って来させ、両手に水をかけて3回洗い、それから右手を容器の中に入れてうがいをし、鼻を洗浄(水を吸い込んで、噴出すこと)し、顔を3回洗い、それから両手を肘まで3回洗い、頭を撫で、両足をくるぶしまで3回洗うのを見ました。そして彼(ウスマーン)はこう言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:“この私のウドゥー(のやり方)でウドゥーをし、それから雑念にとらわれることなく2ラクアのサラーをする者は、それ以前に犯した彼の罪を赦されるであろう。”」(アル=ブハーリーの伝承:1832)
1)ウドゥーを行う際には、自らを小さな穢れの状態から清める、という意図を持たなければなりません。この意図(ニーヤ)の義務性の根拠は、次に示される預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の言葉に見受けられます:
「実にいかなる行いも、その意図でもって判断される。そして人は、意図したところのものによって報奨を得るのである。」(アル=ブハーリー:1、ムスリムの伝承:45)
2)ウドゥーを始める際には、「ビスミッラー(アッラーの御名において)」と唱えます。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言いました:
「ウドゥーなしのサラーはない。またアッラーの御名を唱えることなしに、ウドゥーは成立しない。」(アブー・ダーウード:101、イブン・マージャによる伝承:399)
3)ウドゥーを始める前に、両手を3回洗うのがよいでしょう。
4)そしてうがいをし、水を鼻腔に入れて噴出させる形で鼻の中を3回洗浄します。尚鼻腔から水を噴出す時には、左手を用います。
5)そして顔面部を3回洗浄します。ここで言う顔面部とは、上は額の髪の生え際(禿げ上がっていない場合)から、下はあご、あるいはあごの先までです。そして横は両耳たぶまでです。
6)右側から始め、両腕を指先から肘まで洗浄します。もし指輪や腕時計などを装着している場合は、水がその下まで届くよう、それらを除去しておきます。
7)それから頭部を一度拭います。これは濡らした両手の平で、前頭部から始めて後頭部へ向かって撫で、それからまた後頭部から前頭部へと同様に撫でるものです。教友アブドゥッラー・ブン・ザイドはこう伝えています:
「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は両手を前頭部から始めて、後頭部へと動かしました。彼はまず前頭部から始め、それを首の上部まで動かすと、それからまた後頭部から前頭部へと戻しました。」(アル=ブハーリー:183、ムスリムの伝承:235)
8)そして濡れた人差し指を耳の穴に入れて拭いつつ、親指で耳の裏を撫でます。教友イブン・アッバースは預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)のウドゥーを、以下のように描写しています:
「それから彼は頭部を撫で、そして人差し指を耳の穴に入れました。彼は親指でもって耳の裏を撫で、耳の中は人差し指で拭いました。」(アブー・ダーウードによる伝承:123)
9)両足を指先からくるぶしまで、3回洗います。教友アブー・フライラによれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は、かかとを洗わなかった男を見て、こう言ったそうです:
「かかとに地獄の業火の災いがあるぞ!」(アル=ブハーリー:60、ムスリムの伝承:142)
10)尚ウドゥーの際には、各部位を順番通りに洗わなければなりません。アッラーはクルアーンにおいて、ウドゥーの各義務行為を特定の順番で言及されているゆえ、それに反してはならないのです。
11)またウドゥーをする際には、ある部位を洗浄する前に、その前に洗浄した部位が乾いてしまうほどの時間を設けてはなりません。
ハディースには、足に金貨一枚分ほどの乾いた部分を残してサラーしている男を目にしたアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)が、彼にウドゥーとサラーをやり直すよう命じたことが言及されています。(アブー・ダーウードによる伝承:175)
またウドゥーの際は、水が洗浄箇所の地肌に届くのを阻むような物をあらかじめ外しておくべきです。
一度行ったウドゥーは、大小の排便、放屁、射精に先駆けて分泌される潤滑液の放出、月経が理由ではない出血、直接性器に手で触れること、深い眠りなどによって失われない限り、その効果が持続します。