妻に対する夫の義務

1-マハル(婚姻の際の贈与財)女性は、婚姻の契約の際に明言されるマハルを受領する権利があります。これは婚姻の契約には欠かせない重要な部分であり、例え女性側がそう望んだとしても、完全に免除したりすることは出来ません。至高のアッラーはこう仰いました:

-そして女性たちにマハルを、定められたものとして贈るのだ。そしてもし彼女らが自ら進んでそれを譲るというのなら、それを有難くよい形で頂くのだ。,(クルアーン4:4)


2-公正と平等:もし男性に複数の妻がある場合、彼は彼女たちと平等によい形で接しなければなりません。また飲食物や衣服、住居や共に過ごす時間においても、平等に扱う必要があります。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:

「二人の妻を有する者でその一方のみを贔屓する者は、審判の日にその体の半分が傾いた状態で現れるであろう。」(アブー・ダーウードの伝承)


3-妻子の扶養:夫は彼らに適切な住居や生活必需品‐飲食物や衣服など‐を供給する他、その能力が許す範囲において生活費を拠出する義務があります。 至高のアッラーはこう仰いました:

-裕福な者はその裕福な物の内から拠出させ、そして(経済的に)恵まれない者はアッラーが彼にお恵み下さった物の内から拠出させるのだ。アッラーは人に、かれが授けられた以上のものを課されることはない。,(クルアーン65:7)


イスラームは家族への扶養を励行する意味で、それを来世において報奨を受ける慈善行為という位置づけをしています。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は、彼の教友の一人であるサアド・ブン・アビー・ワッカースにこう言いました:

「そして妻の口元に運ぶ一匙(の飲食物)であろうと、あなたが(扶養する者に)費やす物は何であれ施しとなるのである。」(アル=ブハーリーの伝承)


また適切な扶養義務を果たさない夫の妻は、彼の許可なくその財産を利用する権利を有します。ヒンド・ビント・ウトゥバという女性はある時、アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)にこう言いました:

「アッラーの使徒よ、(私の夫)アブー・スフヤーンは吝嗇家で、私と私の子供に十分なものを施してはくれません。私は彼の知らないように彼(の財)から取らずにはいられないのです。」すると彼は言いました:「あなたとあなたの子供に十分なものを、適度に取りなさい。」(アル=ブハーリーの伝承)


4-妻を労り、彼女と特別によい関係を保つこと:これは、イスラームが夫に命じている最も重要な事柄の内の一つです。というのも妻は特に愛情を必要としているものであり、夫は僅かな物であっても妻の願望を叶えるべきものであるからです。またこのことは、妻が咎められるべき行いに足を踏み入れることを防止してくれる役割をも果たすことでしょう。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は、教友ジャービルにこう言いました:

「ジャービルよ、結婚したか?」ジャービルは言いました:「ええ。」彼は言いました:「(彼女は)初婚か、それとも既婚者か?」ジャービルは言いました:「既婚者です。」彼は言いました:「どうして一緒に遊んだり、笑い合ったり出来る若い乙女と結婚しなかったのか?」(アル=ブハーリーの伝承)


5-妻の秘密を守ること:夫は彼女との私的関係を内密なものとし、彼女の秘密や欠点、その他彼女が他人には知られたくないような事実を暴露してはなりません。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言っています:

「審判の日にアッラーの御許で最悪な位階にある者とは、妻と性的関係を持った後に、彼女の秘密を暴露する者である。」(ムスリムの伝承)


6-妻に優しくすること:夫は彼女を懇ろに扱わなければなりません。彼は両者に関する日常的諸事において彼女に相談し、彼女を幸せにする手段を模索し、言葉や遊びなどを通して愛情表現をするべきです。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言いました:

「最も完成された信仰者とは、最も人格の優れた者である。そしてあなた方の内で最善の者とは、あなた方の妻に対して最善の者である。」(アッ=ティルミズィーの伝承)


7-妻の間違いに寛容であり、彼女の欠点の粗探しをしたりしないこと:アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言っています:

「信仰者の男性が信仰者の女性を嫌うことがあってはならない。もしその外見が気に入らなかったとしても、別の一面(あるいは他の複数の側面)が彼を満足させてくれるであろう。」(ムスリムの伝承)


8-妻を嫉妬させないようにすること。また、彼女を邪悪で腐敗に満ちたような場所へ連れて行ったりしないこと。至高のアッラーはこう仰いました:

-信仰する者たちよ、あなた方自身とあなた方の家族を地獄の業火(へと招くような事柄)から守るのだ。,(クルアーン66:6)


9-妻の財産を守ること:夫は彼女が許可を与えない限り、その所有物に手を付けたりしてはなりません。また彼女の同意なく、その財産を使用したりしてもいけません。

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