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サラーの行い方

1874 2012/12/22 2024/04/19

1)清浄な水を用いて、ウドゥーをします。アッラーはこう仰いました:

-信仰する者たちよ、あなた方がサラーをする時には、あなた方の顔と両腕を肘まで洗うのだ。そしてあなた方の頭を撫で、両足をくるぶしまで洗え。,(クルアーン5:6)

2)全身を、キブラ(カアバ神殿)の方角に向けます。そして行おうとするサラーを明確に意図します。

3)それから「アッラーフ・アクバル」と唱えつつ、タクビーラトゥ・アル=イフラーム[1]をします。その際には指を広げ、手の平はキブラの方に向けつつ、両手を肩、あるいは耳の高さまで上げます。視線はサジダ(跪拝)した時に額がつく辺りの場所に定めるようにします。

4)左手の上に右手を重ね、それを胸の前に置きます。そして以下に示す、サラー開始の祈願文句を唱えます:

「スブハーナカッラーフンマ・ワ・ビハムディカ、ワ・タバーラカスムカ・ワ・タアーラー・ジャッドゥカ、ワ・ラー・イラーハ・ガイルカ。」

その意味は次の通りです:「(あらゆる欠陥や不完全性から遥かに無縁な)崇高なアッラーよ、全ての讃美はあなたに属します。あなたの御名は祝福に溢れ、あなたのご偉力は至高です。あなたの他に真に崇拝すべきものはありません。」

それからこう唱えます:

「アウーズ・ビッラーヒ・ミナッシャイターニッラジーム、ビスミッラーヒッラフマーニッラヒーム。」

その意味は次の通りです:「私はアッラーに、追放された悪魔からのご加護を乞います。私は慈悲深く慈悲遍きアッラーの御名でもって、開始します。」

次に、クルアーンの「アル=ファーティハ章(第一章)」を読みます。そしてその終わりに、「アーミーン(かくあれかし)」と唱えます。いずれの場合も、クルアーンを声に出して読むサラーの場合には声に出して、そうでないサラーの場合は無言で唱えるようにします。アル=ファーティハ章の後には、クルアーンの何か別の章句を読みます。

5)クルアーンを読み終えたら、背中を前方に曲げてルクーゥ(お辞儀の形の礼)をします。その動作に移る際、こう唱えます:

「アッラーフ・アクバル」

その意味は次の通りです:「アッラーはこの上なく偉大なお方です。」

尚この動作の折には、両手を両肩、あるいは両耳の高さにまで上げます。それから背中を伸ばしてルクーゥをし、その際に頭と背中の高さが同じくなるようにします。この時両手は指を伸ばして両膝に置き、肘は脇腹から離します。そしてルクーゥの状態にある時、こう3回唱えます:

「スブハーナ・ラッビヤル・アズィーム」

その意味は次の通りです:「最も威光高きわが主は、いかなる欠陥からも無縁な崇高なるお方です。」

6)それから前半身を直立姿勢に戻しますが、その際には再び両手を肩か耳の位置にまで上げ、こう唱えます:

サミアッラーフ・リマン・ハミダフ

その意味は次の通りです:「アッラーは、かれを讃美する者(の祈り)をお聞き入れになられる。」

尚上記の文句は、サラーを単独で行うか、あるいは集団で行うサラーを導く時に唱えるものです。そして完全に直立姿勢に戻ったら、こう言います:

ラッバナー・ワ・ラカルハムドゥ

その意味は次の通りです:「わが主よ、あなたにこそ全ての讃美は属します。」

また集団で行うサラーで、イマーム[2]について行う者も、直立姿勢に戻ったら同様にこう唱えます:

ラッバナー・ワ・ラカルハムドゥ

その意味は次の通りです:「わが主よ、あなたにこそ全ての讃美は属します。」

7)それから、サジダ(跪礼)に移ります。その際には、またこう唱えます:

 「アッラーフ・アクバル」

その意味は次の通りです:「アッラーはこの上なく偉大なお方です。」

尚この際には、両手を肩や耳の高さにまで上げません。そしてそれが困難ではない限り、両手を地面につく前に両膝を地面につけるようにします。そして地面に額と鼻、両手と両膝、そして両足先をつけます。この時、両手足の指は揃えた状態でキブラの方向を指すようにします。また両肘は腿につけないようにし、両膝と腹部の間、及び両腿の裏とふくらはぎの間を空けるようにします。そして両肘を地面から高く上げ、こう3回唱えます:

スブハーナ・ラッビヤルアァラー

その意味は次の通りです:「至高のわが主は、いかなる欠陥からも無縁な崇高なるお方です。」

サジダの状態にある時は、出来るだけ多くの祈願をした方がよいでしょう。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言っています:

「ルクーゥの際には、主を讃えよ。そしてサジダの折には、出来るだけ多く祈願するのだ。というのもその状態にある時、祈願は聞き入れられるからである。」(ムスリムの伝承:479)

 

8)そしてサジダから頭を上げたら、また「アッラーフ・アクバル」と唱えます。この際、両手を肩や耳の高さにまで上げる必要はありません。そして臀部の下に左足を敷く形で、座位姿勢をとります。この時右足はつま先を立てた状態にし、その指はキブラの方角を向けるようにします。そして両手は両腿の上に置き、こう3回唱えます:

「ラッビグフィル・リー」

その意味は次の通りです:「わが主よ、私をお赦し下さい。」

また上記の文句に加え、以下のように唱えることも可能です:

アッラーフンマグフィル・リー、ワルハムニー、ワハディニー、ワルズクニー、ワアーフィニー、ワジュブルニー。

その意味は次の通りです:「アッラーよ、私をお赦し下さい。私をお慈しみ下さい。私をお導きになり、糧をお恵み下さい。そして私をお守りになり、私を矯正して下さい。」

9)それから「アッラーフ・アクバル」と唱えつつ、2回目のサジダをします。この時も両手は上げません。そして1回目のサジダの際に行ったことと、同様のことをします。

10)そして「アッラーフ・アクバル」と唱えながら、サジダから頭を上げます。この際も両手は肩、あるいは耳の位置にまで上げません。そして膝で体を支えつつ立ち上がり、2回目のラクアに移行します。もしそれが困難であれば、両手を支えにして立ち上がることも可能です。

直立姿勢に戻ったら1ラクア目と同様、またアル=ファーティハ章を読み、次いでクルアーンの別の章句を読みます。

11)もしファジュルや金曜礼拝やイードのサラーのように2ラクアのみからなるサラーの場合、2度目のサジダが終了したらそのまま座位姿勢を継続します。そして臀部の下に左足を敷く形で座り、右足はつま先を立てた状態にします。この時右手は握り締めた状態で右腿の下の方に置き、祈願とアッラーの御名を念じる際にはタウヒードの印として人差し指を立てます。一方左手は左腿の真ん中ほどに置くようにします。この際唱えるタシャッフドの言葉が、以下に示すものです:

「アッタヒイヤートゥ・リッラーヒ、ワッサラワートゥ・ワッタイイバートゥ。アッサラーム・アライカ・アイユハンナビイユ・ワ・ラフマトゥッラーヒ・ワ・バラカートゥフ。アッサラーム・アライナー・ワ・アラー・イバーディッラーヒッサーリヒーン。アシュハドゥ・アッラー・イラーハ・イッラッラー。ワ・アシュハドゥ・アンナ・ムハンマダン・アブドゥフ・ワ・ラスールフ。

アッラーフンマ サッリ アラー ムハンマディン ワ アラー アーリ ムハンマドゥ。カマー サッライタ アラー イブラーヒーマ ワ アラー アーリ イブラーヒーマ、インナカ ハミードゥン マジードゥ。アッラーフンマ バーリク アラー ムハンマディン ワ アラー アーリ ムハンマドゥ。カマー バーラクタ アラー イブラーヒーマ ワ アラー アーリ イブラーヒーマ、インナカ ハミードゥン マジードゥ。」

その意味は次の通りです:「全ての讃美と祈りとよきものはアッラーに(捧げられます)。預言者よ、あなたの上に平安とアッラーのご慈悲と祝福がありますように。私たちに、そしてアッラーの敬虔なしもべたちに平安あれ。私はアッラー以外に真に崇拝すべきものは無いことを証言します。そして私はムハンマドがアッラーのしもべであり使徒であることを証言します。

アッラーよ、あなたがイブラーヒームと彼の一族に栄光をお与えになったように、ムハンマドとムハンマドの一族にも栄光をお与え下さい。あなたこそ全ての讃美と栄光の主です。アッラーよ、あなたがイブラーヒームと彼の一族を祝福されたように、ムハンマドとムハンマドの一族を祝福して下さい。あなたこそ全ての讃美と栄光の主です。」

その後以下の言葉でもって、4つの物事からのご加護を乞うことが推奨されます:

「アッラーフンマ・インニー・アウーズ・ビカ・ミン・アザービ・ジャハンナム、ワ・ミン・アザービル・カブル、ワ・ミン・フィトゥナティル・マヒヤー・ワル・ママートゥ、ワ・ミン・フィトゥナティル・マスィーヒッダッジャール。」

その意味は次の通りです:「アッラーよ、私はあなたに地獄の業火の懲罰と墓の中の懲罰、生と死の試練と偽メシア[3]の試練の悪からのご加護を求めます。」

また現世と来世におけるよき物事など、アッラーに対して何でも望むこと[4]を祈願します。

12)最後に、「タスリーム」を行います。つまり頭部を右方向に向け、声を出してこう唱えます:

  「アッサラーム・アライクム・ワ・ラフマトゥッラー

その意味は次の通りです:「あなた方にアッラーからの平安とご慈悲がありますよう。」

また同様に頭部を左方向に向け、声を出してこう唱えます:「アッサラーム・アライクム・ワ・ラフマトゥッラー

13)尚マグリブのように3ラクアのサラーや、あるいはズフルやアスルやイシャーのように4ラクアのサラーの場合は、前述のタシャッフドで「アシュハドゥ・アッラー・イラーハ・イッラッラー。ワ・アシュハドゥ・アンナ・ムハンマダン・アブドゥフ・ワ・ラスールフ。」と唱えた後、再び3ラクア目のために立ち上がります。その際出来るならば膝を支えにして立ち上がり、両手を両耳、あるいは両肩の高さにまで上げて「アッラーフ・アクバル」と唱えます。そしてまた左手の上に重ねた右手を胸の前に置き、アル=ファーティハ章を読み、先のラクアでしたことと同じことを行います。そして最後のラクアを終えたら最後のタシャッフドのために座り、前述のタシャッフドの文句を全て唱えた後にタスリームをしてサラーを締めくくります。

 



[1] 訳者注:サラーを開始する際に行うタクビールのことです。アッラーが何よりも偉大であり、それ以外の存在はかれなしでは存在することが出来ない小さな存在であることを実感することで、サラー中の畏怖の念を呼び起こし、またかれ以外の何かに心を囚われることがないようにします。

[2]「イマーム」とは、集団で行うサラーを先導する者です。

[3]「生の試練」とは、現世や欲望による誘惑に関するもので、「死の試練」とは墓の中の試練と、そこで二人の天使に詰問を受けることを意味すると言われます。また「偽メシアの試練」とは、彼が多くの人々を惑わせ、彼の主張する神性を受け入れて彼に追随することを指しています。

[4]アラビア語ではない自分の言葉で、自分の望むことを祈願しても問題はありません。

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